テロカクタス 眠り獅子(てろかくたす　ねむりじし):この個体を初めて見る人は、一瞬、戸惑うに違いない。この個体は、農家さんに実験的に接ぎ木を依頼した。ただの接ぎ木とは遠くかけ離れ、台木の竜神木を敢えて斜めに切断し、穂木の眠り獅子を接いでもらった、とても手の込んでいるもの。活着すれば成功というわけではなく、そこから更に、穂木の眠り獅子を胴切りし、強制的に子株を吹かせた。その造形はとても不安定で、見ているだけではらはらしたが、植物の生命力はそんなに柔なものではない。しばらくハウスの中で見守っていると、穂木を支えるかのように、竜神木の枝が出現した。この個体の最終形態はいったいどこなのか、今後も予測のつかない生長を遂げていく。