親木という価値
親木: 新芽や子株を挿し木するために刈り採られる元の個体
勢いよく新芽や子株を生み出せる樹齢の高い大株のものが多い
親木とは農家さんにとって貴重な存在
それは食いぶちを稼ぐ商品を生み出すものだから
なので仕入れるのも一苦労
一般的には親木とは生産をはかどらせるために鉢植えではなく
畑に植えてあることが多い
農家にいくとその親木たちが畑にずらりと植えてある
それらはどれもが「いい顔」してるわけではなく
蒸し暑い刺の畑で目を凝らし選び抜く
画像の 「黄大文字」もそう
商品:黄大文字 親木 はこちら
無数に並ぶそれらは 毎年1回 刈り採られる
切り口からはやがて新芽が出て1年かけて大きくなる
それをまた刈られる
その繰り返しにより 団子が積み重なったような
不思議な風貌になる
段々の数で樹齢がわかる
約7年間切られたことになるこの個体は樹齢10年程度
この切り口の干からびた感じからは枯れや 死を感じ
輝くような色の新芽からは躍動や生を感じる
お互いが一個体に共存することでより
お互いを強調し合い その意味が浮かび上がる
大量生産の植物を生み出す親木は
長い時間をかけ生み出せば生み出すほど 独特の風貌になり
唯一無二の個体となっていくというのは皮肉な感じではあるが
そこが面白い
これらの個体は ここが終着点ではなく
まだまだ未完成な途中経過
今後 この親木を持つことになる所有者は
これまでと同じように毎年1回切り続けて欲しい
さらに不思議な造形の植物を作り出して欲しい