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2019.10.21 | cat. 日々

緒 -いとぐち

TOKYO MIDTOWN AWARD

東京ミッドタウンで開催される

デザインとアートのコンペティションである

 

毎年多くの参加者がデザインとアートでしのぎを削るイベント

 

その受賞者に授与されるトロフィーは

デザインやアートの部門の第一線で活躍する

クリエイターが選出され 年度ごとに製作する

 

12回目となる2019年度は

クリエイティブラボ PARTYの

伊藤直樹さんが選ばれた

 

伊藤さんご本人もたくさんの植物をお持ちということもあり

今回は脳神経と盆栽をモチーフにしたトロフィーを

企画された

伊藤さんによると 才「脳」にも

たくさんの光と水を与えてください

という素敵なメッセージ性を込めたトロフィーだそうだ

 

その中でそのオブジェを植え込む鉢と

そこに植える小さなサボテンを叢で

担当させてもらうこととなった

 

東京大学提供の精密な脳神経データを

アワードのイメージカラーで3Dプリンター出力

 

そのオブジェを植物に見立て

鉢をデザインしてみた

そのデザインを信頼する陶芸家 寒川義雄さんに

正確に製作してもらった

 

そして美しい曲線を描く磁器の鉢が出来上がり

そこに3つの植物と脳神経のオブジェを

植え込んだ

 

まさかデザインやアートのコンペの

象徴となるトロフィー製作に

植物屋が携わること

そして植物自体がトロフィーになること

なんて想像もしていなかった

 

最先端のデザインやアートと同じステージで

植物の仕事が取り上げられた

もしかしたらこうしたことが

植物のステージを上げる

小さな緒なのかもしれない

 

https://www.tokyo-midtown.com/jp/award/result/2019/

 

 

 

 

2019.04.18 | cat. 日々

貫禄の一株

20年以上前から農家の畑に居座り

巨大化した分頭のアロエ フェロックスを

大人5人で引き抜いた

 

暑い日も寒い日もじっと耐え

ほんの少しずつだけど確実に巨大化してきた大きなアロエは

まるで現地球さながらの怪獣のような貫禄

 

小一時間かかって皆でヒーヒー言いながら

引き抜いてはみたものの

ここまで生長してきたその長い時間に思いを馳せると

何ともあっけない人の都合による移植だなあと

しみじみ感じてしまう

 

移植したからには この大株を

責任を持ってきちんと立派に世に送り出したい

 

 

 

 

 

2019.03.10 | cat. 日々

叢-東京

東京に店を構える

それは植物を触りだした20年前から頭の片隅に

あったことかもしれない

 

ようやくようやく 形になるところまでたどり着いた

まだまだ抱えている課題は たくさんだけど

身の丈にあった小さな箱のような店をオープンします

 

自分の見せたかった植物とは何か

この場所でそれは実現できるかもしれない

 

叢-東京

2019 4月下旬 世田谷区代田にOPEN予定

 

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2017.12.19 | cat. 日々

今年も速かった

12月にあったいくつかの大きな仕事も一通り着地し

今年ももはや年末

この一年は自分にとって特に修羅場な一年で

様々な事に試されたような一年だった

 

ありがたい事に毎月4度も5度も上京し

仕事をいただいては 大騒動の毎日

日にちや曜日を数える事も無く

とにかくリミットまでの日数を数えては終え

数えては終える一年で 気づけば師走

 

量をこなせばこなすほど

当たり前のようにひとつひとつを考える時間は少なくなっていく

少ない時間でもなおクオリティを維持しようと

精神は磨り減るほど消耗した

そのような中でも 多くの方々やスタッフ 家族に支えられ

どうにかこうにか踏ん張っている

来年はもう少しゆったりと各プロジェクトと向き合って

植物と語り丁寧に愛情注ぎながら仕事をしていきたい

この瓦版ももう少しマメに。。が来年のささやかな目標

 

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2017.07.29 | cat. 日々

人の作る線と植物の作る線

 

団扇サボテンを真っ二つにして台木としたもの

接ぎ主にとってはただの台木を増そうとした安易な策

 

人の作為的な線と

植物の作り出す線の対比がおもしろい

 

どちらの線が 心地よいのか

それともどちらの線も同じ性質のものなのか

 

風化していく線と

生長していく線をじっとながめる

 

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2017.05.03 | cat. 日々

考えさせられる光景

道路端のとある風景

 

粗大ゴミが山のように積み上げられていた

それを覆い隠すように

無理矢理着飾るように

茂った藤の花

 

知られたくない事実や

見せたくない光景を

植物は無邪気に上書きしようとする

 

植物の力強さやたくましさを想像すると同時に

あまりの占拠っぷりに恐怖すら感じる

 

 

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2017.01.20 | cat. 日々

ベテランにもまれて

新春

全国各地のカクタスクラブで 新年会がおこなわれる

先日伺ったのは 全国でもトップクラスの

名人が集まる新年会

 

名のある方々に混じり

新参者が競りに手を出す

 

熟練者にかつて愛された個体達は

やがて2番手3番手になり

競りに出される

それでも品種の見立てや仕立ては抜群で

絵になるものが多い

 

こうしたところでは それぞれの銘品の成り立ちや

特徴などを育て親から直に伺える

貴重な場だ

              2017.1.20   小田 康平

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2016.12.25 | cat. 日々

ものの集め方

先日 神奈川県にある

石屋さんに行ってきた

 

住宅街の中に25mのクレーンをおっ立てて

山のように石積みしてあるところだった

 

親子2代で経営しているようで

お互いに時間もないのに長話に花が咲いた

 

僕が日本中車走らせて サボテン集めてますと言うと

そこのおじいさんも 各地の山から石を集めてくるんだと 言う話になった

 

おじいさんが言うには

とにかく人の集めないような石を採ってくるんだとか

世の中の石屋が集めるような石は どの石屋に行っても手に入る

人が選ばないような石を 石の山からかき分けて拾い

それをいっぱい集めるんだ と

 

確かにそこには見たことの無いような石や

一見価値の無さそうな小さな石が山積みだった

石にこだわった人は 全国からここにたどり着くようだ

 

石と植物は似ている

どれも一品ものだからだ

 

選ぶ人間が こだわり抜いて集めたものには

たとえそれが石ころだって 雑草だって

そこには力が宿るような気がする

 

結局そこが大事なんだ

 
            2016.12.25   小田 康平
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2016.12.18 | cat. 日々

凌駕する植物

とある倉庫の下見

もう何年か 使われておらず

そこはちょっとした廃墟のよう

 

コンクリートを敷き詰めた地面から

植物がはびこっていく

 

人が積んだ積み木のような建造物を

下から飲み込むように 這い出すように

支配していく植物の様は

じっくりだけれども

圧倒的な感じがする

 

厳しい環境に育つたくましい植物もかっこいいが

文明を凌駕していくような植物のしぶとさに

力を感じる

 

            2016.12.18   小田 康平

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2016.12.14 | cat. 日々

植物が環境を味方にしたとき

サボテンを屋外に植栽するとき

そこは陽当たりがあるのか?

水はけはどうか?

寒風は当たらないか?

などなど色々なことを考えてから 

種類を選び 根の状態を考え 植え込む

 

サボテンには1500種類程度あると言われており

そのうち約30%は絶滅が危惧されている反面

世界中にやたら広がって駆除に困るような繁殖性の高いものまである

つまり一部のサボテンは環境を味方につけた時

爆発的に生長するわけだ

そうなってしまうと 枯らそうと思っても枯れないほど

強健で厄介な植物となってしまう

 

画像のサボテンは 都内で見かけたサボテン

高さは12mほどもあり

屋上でさらに勢力を伸ばそうと

分岐を開始している

おそらく日本にあるサボテンで最も背の高いサボテンだろう

 

このサボテンは倒れないように壁面に括り付けてある他は

ほぼ放ったらかし状態でここまで大きくなったに違いない

壁面は真南に向いており

太陽エネルギーを最も効率よく受け止めている

都内でも環境を味方にさえ出来れば

ここまで凄いことになるという一例