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2017.05.08 | cat. 展覧会

植物のランク付けをしてみて気づいた事

このたび1週間ほどかけて HPにて叢Ranking50と題して

展示会を行った

サボテンや多肉植物を個人的な趣向のみでランク付けをして

皆さんにご覧頂く企画

たくさんの反響を頂き 驚いています

中には競争率100倍の争奪戦もありました

 

ただただ個人的な判断で

叢の植物を1から50まで数字をつけた

上下を判断することで植物の見所や価値付けが明確に見えるかと思ったが

フタを開けてみると

結局 自らの判断基準の優先順位が露呈することとなった

 

現時点で僕の中での「いい顔してる」 は

「想像しがたい姿」 というところのようだ

 

 

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2017.05.03 | cat. 日々

考えさせられる光景

道路端のとある風景

 

粗大ゴミが山のように積み上げられていた

それを覆い隠すように

無理矢理着飾るように

茂った藤の花

 

知られたくない事実や

見せたくない光景を

植物は無邪気に上書きしようとする

 

植物の力強さやたくましさを想像すると同時に

あまりの占拠っぷりに恐怖すら感じる

 

 

オペラ
2017.04.12 | cat. 展覧会

片山正通的百科全書

4月8日から始まった 東京オペラシティ 片山正通的百科全書

叢ではROOM4 Succulent Plants の展示を担当させてもらった

 

片山さんのオフィス Wonderwallの屋上と地下にある植栽の延長線上にあるような

ロックでサイケデリックなガーデンを作り上げた

割り当てられた空間に対して 溢れんばかりの

覆い被さるような量と大きさの植物を投入

 

 

片山さんの所有する数々のアート 書籍 剥製

骨董品などとならんで

無骨な植物達が一角を支配する

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2017.01.20 | cat. 日々

ベテランにもまれて

新春

全国各地のカクタスクラブで 新年会がおこなわれる

先日伺ったのは 全国でもトップクラスの

名人が集まる新年会

 

名のある方々に混じり

新参者が競りに手を出す

 

熟練者にかつて愛された個体達は

やがて2番手3番手になり

競りに出される

それでも品種の見立てや仕立ては抜群で

絵になるものが多い

 

こうしたところでは それぞれの銘品の成り立ちや

特徴などを育て親から直に伺える

貴重な場だ

              2017.1.20   小田 康平

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2016.12.25 | cat. 日々

ものの集め方

先日 神奈川県にある

石屋さんに行ってきた

 

住宅街の中に25mのクレーンをおっ立てて

山のように石積みしてあるところだった

 

親子2代で経営しているようで

お互いに時間もないのに長話に花が咲いた

 

僕が日本中車走らせて サボテン集めてますと言うと

そこのおじいさんも 各地の山から石を集めてくるんだと 言う話になった

 

おじいさんが言うには

とにかく人の集めないような石を採ってくるんだとか

世の中の石屋が集めるような石は どの石屋に行っても手に入る

人が選ばないような石を 石の山からかき分けて拾い

それをいっぱい集めるんだ と

 

確かにそこには見たことの無いような石や

一見価値の無さそうな小さな石が山積みだった

石にこだわった人は 全国からここにたどり着くようだ

 

石と植物は似ている

どれも一品ものだからだ

 

選ぶ人間が こだわり抜いて集めたものには

たとえそれが石ころだって 雑草だって

そこには力が宿るような気がする

 

結局そこが大事なんだ

 
            2016.12.25   小田 康平
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2016.12.18 | cat. 日々

凌駕する植物

とある倉庫の下見

もう何年か 使われておらず

そこはちょっとした廃墟のよう

 

コンクリートを敷き詰めた地面から

植物がはびこっていく

 

人が積んだ積み木のような建造物を

下から飲み込むように 這い出すように

支配していく植物の様は

じっくりだけれども

圧倒的な感じがする

 

厳しい環境に育つたくましい植物もかっこいいが

文明を凌駕していくような植物のしぶとさに

力を感じる

 

            2016.12.18   小田 康平

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2016.12.14 | cat. 日々

植物が環境を味方にしたとき

サボテンを屋外に植栽するとき

そこは陽当たりがあるのか?

水はけはどうか?

寒風は当たらないか?

などなど色々なことを考えてから 

種類を選び 根の状態を考え 植え込む

 

サボテンには1500種類程度あると言われており

そのうち約30%は絶滅が危惧されている反面

世界中にやたら広がって駆除に困るような繁殖性の高いものまである

つまり一部のサボテンは環境を味方につけた時

爆発的に生長するわけだ

そうなってしまうと 枯らそうと思っても枯れないほど

強健で厄介な植物となってしまう

 

画像のサボテンは 都内で見かけたサボテン

高さは12mほどもあり

屋上でさらに勢力を伸ばそうと

分岐を開始している

おそらく日本にあるサボテンで最も背の高いサボテンだろう

 

このサボテンは倒れないように壁面に括り付けてある他は

ほぼ放ったらかし状態でここまで大きくなったに違いない

壁面は真南に向いており

太陽エネルギーを最も効率よく受け止めている

都内でも環境を味方にさえ出来れば

ここまで凄いことになるという一例

 

 

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2016.12.11 | cat. 展覧会

インスタレーションについて

 

植物を並べる時に注意していることがある

それは 人の作為が表に出ないようにすること

 

一つ一つ植物を順番に配置していくと 

どうしても自分の思惑がからんでくる

注目されるか?かっこいいか?高く見えるか?・・・

 

かたや植物はどうかと言うと 

すべてが必然性で構成されている

その必然性とは 生きるため のもの

こっちに葉を出したら おしゃれ なんて 植物は思わない

生きるために光が来る方向へ 

それを出来る限り受け止めるために葉を出す

 

見てくれや他人などは全く気にしない

ただただ生きるための造形

ここに人の作為が入ってくると その植物らしさ

植物の生き様が 一気に消えてしまう

 

自然の中には植物が生きるために作り上げてきた造形が

そこかしこにある

それらをいつも観察し

理解できない動きがあると なぜそうなったか考える

そこには必ず理由がある

 

インスタレーションをする場合

植物のいつもの動きを忘れずに

植物と会話しながら配置する

植物を手に取ったときから それをどこに置くかは

植物が教えてくれる

 

植物の動きをきちんと再現できた配置になると

人は いい と言ってくれる

それは人のDNAに 植物の動きや形が何万年もかけて

刷り込まれているからだ

 

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2016.12.07 | cat. 日々

クリスマスのリース

今秋に店舗内の植物コーディネイトをさせて頂いた

六本木ヒルズのユナイテッドアローズ様に

先日クリスマスのリースを納品した

 

叢がクリスマス装飾 というと

ちょっと場違いな感もあるような気がするが

実はリースには縁があって

そもそも僕が自分の花屋をオープンさせた

2008年のクリスマスに

店内に100個を越えるリースをびっしり飾り

そこにたまたまリースを探していた

広島のアートコレクターさんが

店に立ち寄り

そこから紆余曲折後に

叢が出来上がるという一連の流れがあったわけ

 

なので今 叢があるのは

当時必死になってリースを作りまくった

過去があったからかもしれない

 

今回リースの依頼にはひとつだけ縛りがあって

「植物」を使用するということ

 

そこで植物の多様性と歴史に注目し

世界中様々な環境で不思議な進化を遂げた

あるいは人類にとって大きな役割を担った

植物達をシンプルに 飾るということにコンセプトを決めた

 

揃えた植物は

マダガスカルを代表し 真っ青な種子を持つ旅人の木

ボルネオの大型食虫植物ネペンテス

北アメリカ原産の大型ヒマワリ

アフリカを始めとする世界中で道具として使われているひょうたん

徳島県でこの時期に立ち枯れて2mの槍のような風貌になるオクラ

仏教ととても深い関わりを持つハスの実

薬用成分が採れることで古代ギリシャ時代には自生地を探し戦争すら起こったとされているアロエ

中国の特殊な造形を持つ柑橘類 カラタチ

ユニークに穴が並ぶサボテンの骨 チョラ

漢方で珍重され おもしろい名が付けられている鳥不止(とりとまらず)

花が綴化し 突然変異の姿がスタンダードになってしまった鶏頭

紀元前2000年前から嗜好品や貨幣として使われていたカカオ

 

12種の植物を選び

1種類の植物で一つのリースを作り上げた

出来上がったリース12個は

店内に飾られてあるので(2個を追加発送)

ぜひご覧頂きたい

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2016.10.14 | cat. 日々

アートコレクターSさんとの会話

叢を立ち上げるとき

それから これまで

いつも支えになって頂いてきたアートコレクターSさん

ご存知の方も多いことでしょう

 

これまでなんどとなく

ものの見方 評価 考え方など

世界的アートコレクター基準の

とてもハイレベルな話をうかがってきました

 

今朝はそのSさんと初めて(かもしれない)

クリエイティブなお話をさせてもらいました

アートコレクターとはアーティストとは違うので

ものを作っていくわけではない

ものを見定めることに長けているわけで

これはいいのか悪いのか

これとこれはどう違うのか

というのがいつもの話の種でしたが

今回は どう見せるのか

見せている中で やり過ぎているところはないか

など 作品をどう見せるのか

どう作っていくのかという話

というか ディスカッション

 

僕の考え方をしっかり聞いてもらい

コンセプトに合った見え方が

オーディエンスにきちんと伝わるのか

見せたい!がうざったくないか?

などアドバイスをもらい

さらには僕だったらこうだ!みたいなデザイン案

結局は とてもいい案が出来上がり

これを持って 11月の展示に望みます

 

お金を払っても受けることのできない

実りある貴重な時間でした

 

2016.10.14 小田康平